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赤坂東急プラザにあり、食べ放題の先祖であるスェーデンのスモーガスボードが食べられる店。帝国ホテルの村上信夫氏が北欧で学んできたものがこれである。 テーブルに置いてある用紙に「スモーガスボードの召し上がり方」が書かれてあった。「スモーガスボードの食べ方には、スウェーデンお伝統的な様式があります。たくさんの料理を少しずつ味わっていくことが重要となりますので、一度にたくさんの料理を取らずに、お皿には少しずつ盛りつけていき、テーブルとスモーガスボードを何度も往復しましょう。お皿の数が多ければ多いほどマナーがよいとされています」 現在における日本の食べ放題と簡単には比較ができない。何故ならば、食べ放題は日本独自の進化を遂げているからだ。しかし、書かれてあることは食べ放題の本質をついている。普段から述べているが、食べるペースを自分でコントロールしてもらいたい。お腹一杯で苦しいという思い出ではなく、おいしく食べることができたという思い出を残してもらいたいのだ。食べ放題と大食いは似て非なるものなのである(大食い番組は大好きです)。 種類は料理が30種強、デザートが10種ほどだ。多い方だが、温かい料理は寂しい。だが、スモーガスボードの店なので仕方がないだろう。前菜類が中心であり、ニシンなど魚介類の燻製や塩漬けは豊富だ。 味について。7種のニシン料理はどれも潮の香りが豊かであった。クネッケと呼ばれるライ麦のパンに載せて食べるのだが、よく合っている。スモークサーモンは脂がのっており、シットリとしていた。ミートボールは弾力があって密。油が多過ぎることはなく、しつこくない。スペアリブは半分ほど火が通されていた。肉のうま味があり、軽く血が香る。ポテトグラタンはポテトが柔らかく、クリーミーだ。 デザートについて。リンゴとアーモンドのスウェーデンのお菓子はアーモンドが香ばしい。温められたリンゴの優しい甘味もよかった。イチゴのムースは非常に軽く、口の中ですっと消えていく。食べた後も心地よい香りが残る。バナナのムースケーキはとろりとした甘味があり、バナナのねっとりとした感じが伝わってくるようだ。ワインゼリーはアルコールが少し強めだ。コクがあって上品である。 前菜類、特にニシンの料理はおいしく食べることができた。種類が多くないが、温かい料理やデザートも中々だ。 店は広くはない。中央にスモーガスボードが置かれてあり、それを囲む形でテーブルが配置されている。BGMにはカーペンターズの「Goodbye To Love」などのメロディが流されていた。音量は小さめで、静かで落ち着きのある空間だ。テーブルは大きいし、リラックスして食べることができる。白人が多かったが、北欧人かどうかは分からない。 残念なことに補充は遅かった。2種のミートボールとスペアリブが同時に10分以上も空だったことがあった。温かい料理はただでさえ少ないので、これはいけない。アップルアーモンドケーキもやや補充が遅かった。また、料理に名札はついていない。 皿の片付けは早い。ケーキはショーケースの中であり、水は富士のミネラルウォーターだ。パンはサーブ方式で、チーズは別ワゴンであった。従業員は丁寧で気持ちがよい。 この店の謳い文句は「日本で唯一のスェーデン料理スモーガスボード専門店」だ。前菜は充実しているし、サービと居心地もよい。ただ、補充が遅い。制限時間はないが、もっと気を遣うべきである。料理がなくては、せっかくのスモーガスボードが台無しだ。補充はホテルビュッフェに倣ってもらいたい。 値段は安くないが、補充以外に注文はない。あとは、より多くの食べ放題好きに、食べ放題の原点であるスモーガスボードを体験してもらうだけだ。
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